自宅出産ならでは」の、なかなか体験出来ない様々

自宅出産ならでは」の、なかなか体験出来ない様々

 約20時間掛けて無事に産まれて来た我が子を、風呂に浸かったまま感動の余韻を味わいながら20分位胸に抱いていた。赤ちゃん(以下/坊)は産まれた瞬間から私の顔を一時じっと見ていたが、気が済んだのか産声のほんぎゃっ!と一瞬泣いた以外は泣き続ける事なく、私の胸の中でずっと寝ていた。実際、赤ちゃんが泣くのは「不安」の為(あとは空腹・何かしらの不快を知らせる為に泣くのだそう)という事を考えると、「だっこされている事で安心しきってるんだな」と思えました。


 それと、今でもその感触を覚えてますが産まれてすぐの坊は、例えはどうかと思いますが「温かいゴム毬」を触っている様な感触に肌色はうっすら赤紫なのでした。後に分かったのですが、やはり約20時間かけて狭い産道を骨や身体をずらし、ゆっくり押し広げながら降りてくること故の負担が「ゴム毬・赤紫色」だった訳です。本当に苦しい思いをして出てきたのだと思います。勿論それらは一時的なものなので、すぐに肌の感覚も色も戻りました。

 それから風呂を上がり、ビニールシートを掛けた敷布団に汚れてもいいシーツを掛けた布団を用意した部屋に坊をだっこしたまま移動(当然、へその緒が繋がったまま)し、仰向けに横たわる。役目を終えた胎盤が出てくるのでその準備に入ります。その間坊は胸の上にのせて一緒に寝ているのですが、相変わらずスヤスヤ落ち着いて寝ています。
 そこで初めて目の当たりにした「へその緒」は、白透明で夏に登場する涼やかな和菓子の様。(そんな例えするなっちゅうねん)ぷるぷるみずみずしい感じで、長さは90~70cmでした。(見測ですが(^^;))よくみると血の塊のようなものが所々に見えます。私達が知る一般的な「へその緒」は、おへそから数cmのものを乾燥させた物ですが、「リアルへその緒」を見ると感動します。

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 役目を終えた胎盤は、自然に子宮から剥がれて体外へ出てきます。助産師さんは子宮の位置を確認しながらお腹を優しく圧して、排出のサポートをするのです。この時に「後陣痛」と言われる軽い痛みが来る…そうですが、正直痛みなど全く覚えていません(汗)。陣痛が凄まじかったせいなのか、本当に痛みがなかったのか…。なので、出てきた感覚も全く覚えてないんですよね…。それなりの大きさがあるから分かるはずなのですが。
 さておき、10ヶ月間赤ちゃんに栄養を送り続けてくれた胎盤と初対面です。ドキドキしながら見ると…正に「でっかいレバー」!(苦笑)そこから伸びるへその緒は、まだ赤ちゃんと繋がっています。触るとトクトク脈打っています。
「病院では産まれてすぐへその緒を切りますが、産まれた後も胎盤が赤ちゃんに酸素を送っているんですよ。そして役目を終えると、この脈も止まります。ヘソの緒から離れて初めて、赤ちゃんは本当の独り立ちとなるんですね」。しばらくして再びへその緒に触れると、脈は止まっていました。
「長い間、頑張ってくれてありがとう」そう胎盤とへその緒に感謝し、完全に役目を終えた事を確認したら、いよいよ”へその緒カット“です。「ご主人、切りますか?」と促され、ビデオ係となっていたオットが手袋とハサミを手渡され、嬉し恥ずかしそうにしながらも見事「断ヘソ式」を行いました。

 そして…『胎盤、食べられます?食べられるんでしたら用意しますよ。正真正銘のヒトプラセンタだから産後の滋養強壮、体力回復そして美容にもいいですよ』。
 正直、妊娠中は「いや、それはさすがにいいかな…」と思っていたのですが、この場の雰囲気か気持ちが高ぶっていた為なのか、私もオットも思いは同じだった様で、「じゃあ折角だから…お願いします(*^_^*)」 と頂く事にした。
(*にーにゃ編集長jeek)

2007/10/01