取材陣(以下、取)／早速ですが、『たこ』とは具体的にどういったものですか？
原口先生(以下、原)／医学的には『胼胝腫』と言います。同じ刺激が一ヶ所に繰り返される事でその部分の角質が厚くなったものです。
　皮フ内側へ角質が厚くなっていく『ウオノメ』と違い、皮フの表面が厚くなるので大体は痛みを伴いません。

取／早速ですが、『黒ずみ』は具体的にどういったものですか？
原／日常生活の中で何らかの要因によって出来る肌の色素沈着です。原因は色々ありますが、ワキ等は汗をかく事で出来る汗ジミの色素沈着、首まわりは体を洗うナイロンタオルの使用による色素沈着、Ｖラインは化学繊維の下着やゴムの部分で擦れる事による色素沈着（摩擦性色素沈着）。それからアトピーやあせもに見られる『皮膚炎』の部分を掻いたり、カサブタを無理に剥いだりして出来る色素沈着等です。また化粧品等による接触性皮膚炎後やレーザー治療後に色素沈着を起こす場合もあります。これらを総じて炎症性色素沈着といいます。その他ホルモンの影響で色素沈着を起こす場合もあります。

取／どのような原因による『黒ずみ』の相談や治療が多いのでしょうか？
原『化粧品かぶれ』による「『黒ずみ』が多いです。化粧品の成分（防腐剤等）が原因である場合が多いのですが、これは化粧品を変えて様子を見ながら治療していきます。最近では、防腐剤の入っていない化粧品が増えたので、元々から肌が弱いタイプの方はこういった化粧品を使う様に心掛けておくと良いでしょう。
その他には、若い方でＶラインや乳首の『黒ずみ』で相談にいらっしゃる方も多いですね。

取／『化粧品かぶれ』による『黒ずみ』が多いのには驚きました。女性は毎日使う物なので恐いですね。成分等に気を付けて選ばなければと思います。これらの『黒ずみ』をキレイにする事は可能なのでしょうか？
原まずは、色素沈着の原因になっているものを取り除く事が重要です。『汗を小まめに拭き取る様にする』『ナイロンタオルの使用を止める』『下着を摩擦の少ない物や綿に変える』『化粧品等かぶれを起こす物を変える』と言った様に、皮フ炎の原因を取り除くだけで『黒ずみ』が薄くなる場合があります。
それでもあまり改善されない場合の治療法は『シミ』の治療と同じです。

• 薬による治療・・・色に対して効く、ハイドロキノン・トレチノインといった軟膏やビタミンＣやトラネキサム酸といった内服薬での治療です。
• ケミカルピーリングによる治療・・・フルーツ酸を塗布し、その部分の角層を落としてターンオーバーを促進する方法。治療直後は少し赤くなりますが、上から化粧する事も可能なのであまり目立ちません。
• イオン導入・・・ビタミンＣは内服薬や外用薬もありますが、それ自体を機械を使って皮フから導入するという治療です。
• その他、光治療、フルーツ酸やハイドロキノンの含まれた石けん等を併用するのも良いでしょう。

(※詳しい治療法は、『美容外科について知りたいこと』【シミの話】をチェック！)

こういった『黒ずみ』の出やすい部位は関節の部分や顔等、皮フの薄い所が多いです。従って、皮フの状態を見ていく為にも当院では１ヶ月に一度の来院で経過を見ていきながら、その人の症状に合わせて治療法を選んだり組み合わせたりしています。
これらは、短期間で劇的な効果が出るものではありません。しかし、治療を行った分だけ徐々に結果が出てきますので根気良く行う事が大切です。

取／なるほど。治療中、気を付ける事はありますか？
原日光(紫外線)です。治療後の肌は敏感になっています。紫外線の影響で治療部位（露出部)が逆に黒くなる事もあるので注意が必要です。紫外線は別の色素沈着『シミ』の原因にもなりますから、日焼け止めや、日傘･帽子の使用等、日頃からの注意を心がけましょう。

取／今回もありがとうございました。

（原口クリニックの場合）
・ケミカルピーリング ソフトピーリング[顔面]…10,500円
・トレチノイン軟膏　(5g)……5,250円
・ハイドロキノン軟膏(5ｇ)…3,150円
※カウンセリングは無料です。お気軽にご相談下さい。