取材陣(以下、取)／早速ですが、『たこ』とは具体的にどういったものですか？
原口先生(以下、原)／医学的には『胼胝腫』と言います。同じ刺激が一ヶ所に繰り返される事でその部分の角質が厚くなったものです。
　皮フ内側へ角質が厚くなっていく『ウオノメ』と違い、皮フの表面が厚くなるので大体は痛みを伴いません。

取／『たこ』をキレイにする事は可能ですか？
原／はい。治療はいかにして、繰り返される刺激（原因）を排除し、肥厚した角質を薄くするかという事です。　方法としては、まず「サルチル酸」という角質を柔らかくするパットを『たこ』に貼り付けて一週間ほど過ごして頂きます。そして、軟らかくなった角質を治療用のメスやハサミで削り取ります。（治療時間は数分で終わります）一度に深く削ると出血し傷になり化膿する場合もあるので、様子を見ながら角質除去を数回繰り返します。
　ある程度落ち着いたら、角質を軟らかくする尿素軟膏をお風呂上りに塗るといったセルフケアをしばらく続けてもらいます。
『ウオノメ』の場合も同じ治療ですが皮フの内側なので、『たこ』よりも時間がかかります。
　また、『たこ』が傷や痛みなどの悪影響を及ぼしている場合（例えば、足のゆびに出来た『たこ』が隣のゆびを圧迫して傷つけている等）は、サイズにもよりますが切除する場合もあります。（一般的には治療法は同じです）
　そして治療の他にもうひとつ大事な事があります。それは、『たこ』が出来る原因（刺激）をなくす事です。『ペンだこ』なら少しずつペンが当たるところを変えるとか、『足の裏のたこ』なら幅の狭い靴やヒールの高い靴ばかり履くのを止めるといった具合に『たこ』が出来る原因を極力避ける様にして、再発を予防して下さい。

取／なるほど、また同じ様に『たこ』が出来ては意味がありませんからね。
　ところで、『たこ』の治療で来院される方は多いですか？
原『足の裏のたこ』で来られる方が一番多いです。足の裏の場合、長時間歩く事で硬い角質が足の裏を刺激して痛む場合もありますから。また『ウオノメ』は小さいですが、『たこ』の場合は同じ刺激を繰り返す事で広がり、大きくなっていきます。それで気になって、来院される様です。

取／確かに、ヒールの高い靴や幅の狭い靴を履いている女性は多いですもんね。　治療費はどのくらいかかりますか？
原『たこ』の大きさによって違いますが、保険治療ですので一回につき数百円(千円かからない程度)です。

取／保険治療なのですね！思ったよりもリーズナブルなのでびっくりしました。
　『たこ』や『ウオノメ』に似た、他の疾患は何かありますか？
原『ウオノメ』が出来たと診察に来て、ウィルス性のイボだという事はよくあります。
　イボは発生原因、治療も異なりますのでまた別のものですが、同じ角化異常なので見た目が似ていて間違えやすいです。
　『たこ』だと思って自分で何とかしようと軽石で擦ったり、削ったりしても少しでも組織が残っていると再発しますし、かえって広げてしまい悪化する事があるので気をつけて頂きたいです。
（詳しくは、『美容外科について知りたいこと』～イボ～をチェック！）

取／なるほど。自己判断は少し危険ですね。おかしいなと思ったら一度診てもらう方が良さそうです。
今回もありがとうございました。

（原口クリニックの場合）
『たこ・ウオノメ』ともに保険適応です。
　※発症したサイズは料金に影響しません。