取材陣(以下、取)／まず単刀直入にお伺いします。これは失敗だったのですか。
原口先生(以下、原)／眼の周りは皮膚が薄く伸びやすく、シワを伸ばすようにピンと張るためにはやはりある程度の注入が必要なので、目袋周辺への注入の場合はそこが膨らむことは初めから予想されます。膨らむ程に注入しないとシワが取れないというのであれば、私は最初の診察時にその事を伝えて注入よりも手術（皮膚・隔膜・脂肪の処理）を勧めます。従って、その先生と患者さんが治療の話をした上で、「やはり手術よりも注入がいい」という選択をされたのであれば、失敗とはいえないと思います。どういう説明があったのか、ですね。

　私のところでも手術の方が良い結果が得られると思われるようなケースでも、やはり切るよりも他の方法で…と希望される方もいらっしゃいます。そういう場合、「今回はコラーゲン・ヒアルロン酸で様子を見ますけど、こういう可能性があるので後になってやはり手術が良かったという事になるかもしれません。その時は、改めて手術する事になるかもしれませんよ。」ということを話して納得して貰ってから施術するようにしています。

取／（40代プチ整形失敗?!）さんは、７カ月経っても全く吸収された感じがないという事ですが、以前シワの話の回（シワの話～前編～/～後編～）で聞いたような持続効果が長いとうたっていて実は非吸収性の混ぜ物が入っているヒアルロン酸の可能性が高いのでは、と思うのですが。
原／私の場合は眼の周りには使い勝手が良いコラーゲンを第一選択（ヒアルロン酸はビーズ状のように白く浮き出てしまう方がいらっしゃる為）にしていますが、この患者さんの場合どういう種類のヒアルロン酸を注入したのか、が気になりますね。
ヒアルロン酸の純度が高ければ吸収されるでしょうし、非吸収性の物質が混ざった物の場合はヒアルロン酸の分だけ吸収されて不純物はそのまま残るので、あまり変化はないかもしれません。

取／どのような方法で解消できますか？
原／以前、同じようなケースで相談に来られた方がおられて、対応した事があります。
　
その方はまだ注入して早かったのと、１ヵ所にまとめて注入してあったので（※上手な先生は小分けにして点々と均一に散らばせて注入するのだそう）除去出来る分は注射で吸引し、残りはヒアルロン酸の吸収を早める薬剤（ヒアルロニダーゼ）を注入しました。吸収促進剤は数日～2週間程で効果が現れます。
　
非吸収性の混ぜ物があった場合でもヒアルロン酸の分だけは注入剤で解消されます。吸収促進剤で様子を見てそれでも気になる場合は、前回紹介したような目袋の手術を行うことになると思います。

取／なるほど。プチ整形の場合でも、いつも先生がおっしゃるように『施術を受ける前にメリット・デメリットや効果の程度、副作用の可能性などをしっかり確認し、その場で決めず一度じっくり考えてから施術を受けるようにする』ということが大事なのだと改めて実感しました。今回もありがとうございました。

（原口クリニックの場合）※税込
・ヒアルロン酸吸収剤（１部位につき）…10,500円
・下眼瞼形成術…262,500円（目袋手術《皮フ切除》）
・経結膜法…210,000円（目袋手術《隔膜》）