取材陣(以下、取)／早速ですが、「ＡＧＡ」とは何ですか？
原口先生(以下、原)／Androgenetic Alopeciaの略で、「男性型脱毛症」の事です。男性ホルモンの影響などが主な原因とされています。
正常な男性ホルモンである「テストステロン」が脱毛の原因となる「ジヒドロテストステロン」というホルモンに変化することによって、ヘアサイクルの成長期を短くし、髪が長く太く成長する前に抜け落ち、薄毛が目立つようになります。これは遺伝的なものが大きいといわれていますが、毎日の生活の不摂生も影響しているといわれています。

取／病院では具体的にどのような診療をされるのですか？
原／まずは、髪の毛、頭皮・毛根の状態をチェックし、髪の毛に影響する日常生活の不摂生などを確認します。そして、日常生活で気をつけるべきことのアドバイスや、薬や育毛剤の処方などをして、まずは半年ほど定期的に頭皮や髪の毛をチェックしながら、様子を見ていきます。これは、一時的な薬の服用では治療の効果がすぐに出てくるものではないので、しばらく様子をみないと効果が分からない為です。

取／治療薬はどのくらい飲むのですか？
原／１日１錠です。これは、男性型脱毛症の飲む治療薬としては有効性と安全性が初めて厚生省から認められた医療用医薬品で、テストステロンがジヒドロテスロンに変換するのを防ぐ効果があります。治療を始めた患者さん達は、まず一番に「抜け毛が減った」とよく言われます。それから髪が太くなってきた、密度が増えてきたというような感じですね。
　
よく「これは、女性ホルモンですか？」と聞かれますが、それは違います。男性ホルモンに働きかける薬です。

取／一定期間飲めば良いのですか？
原／いいえ。ＡＧＡは進行性の脱毛症なので、一定期間飲めば止まるということはありません。6ヶ月間服用を続けてもらい、効果を確認します。6ヶ月以上服用を続けた男性の約90％が効果を実感されています。また、偏った食生活や睡眠不足、喫煙などの生活スタイルなどもＡＧＡ進行に大きく影響している為、それらを改善していくことで進行を弱めていくことは可能だと思います。

取／女性の薄毛にも効果はありますか？
原／いいえ。ＡＧＡは男性型脱毛症の治療で、男性ホルモンに働きかけるので、男性ホルモンのない女性には効果がありません。むしろ妊娠している可能性のある女性や授乳中の女性の服用の安全性は確立されていません。しかし、女性で薄毛・抜け毛を気にされる方が増えてきているので、当院では海外から取り寄せた育毛剤や生活習慣の見直しアドバイスなどの診療で対応しています。

取／なるほど。確かに女性でも悩んでいる方が増えてきているように感じます。ＡＧＡの治療薬はいくら位なのですか？
原／これは、厚生省が認めたとはいえ自費診療の治療になります。治療は１か月で10,000円～15,0000円程です。またミノキシジル配合の育毛剤の併用が効果を高める事が報告されてきました。当クリニックではミノキシジルが日本の製品よりも多く配合してある育毛剤（日本↓２％、本製品↓５％）も用意してあるので、希望の方には併用して貰っています。こちらは３本セットで18,900円です。

取／なるほど。日本の育毛剤も３本なら同じくらいの金額だし、どうせなら成分が多い方がいいですね。
今回も勉強になりました。
ありがとうございました。

・1ヶ月…10,000～15,000円　　
・育毛剤…3本セット18,900円