取材陣(以下、取)／早速ですが、この写真の出来物は何だと思われますか？
原口先生(以下、原)／写真を見たところ、恐らく『稗粒腫』でしょう。
　
皮脂腺や毛穴に汚れや脂肪が目詰まりする事によって出来る物で、汗をかいてそのままにして不潔にしていたり、瞼をよくこする場合や小さな傷が原因で出来る事もあります。
　
小さい物の場合は、針で小さな穴を開けて消毒されたピンセットで押し出します。少し大きい物は局所麻酔をして袋ごと取り出します。切除が大きい場合は縫う事もあります。この場合は５日後に抜糸します。切除は横に切る事でほとんど目立つ事はありません。治療後は数日間患部を消毒してもらいます。そして、数日後に一度経過を見る為に診察に来ていただくようにしています。ほとんどの場合が一度の処置で治ります。

取／先生のクリニックで治療は可能ですか？可能な場合、費用はお幾ら位ですか？
原／当院での治療は可能です。又、保険治療になるので、数や大きさにもよりますが、針での治療の場合は千円程度、切除した場合でも５千円程度かと思います。

取／保険治療になるのですね！ちなみに他にも目の周り等に出来る出来物はありますか？
原／いくつか紹介しましょう。
　
まず『麦粒腫』。これは俗に言う「ものもらい」です。抗生物質等の飲み薬で治ります。
　
赤くしこりになっている場合は『霰粒腫』でしょう。これは瞼板に出来て腫れる出来物で、瞼の裏側から切開して掻爬します。

　
『汗管腫』。これは汗腺に出来る物で、特に下瞼に出来易く、レーザーで治療することが多いのですが難治で、集まっている場合は切除する事で治療します。悪性ではないので、放っておいても構いませんが見た目が気になる方が治療に来られます。

　
そして、『黄色腫』。これはコレステロールが多い人がなる黄白色の出来物で、この場合は、切除と共に内科的な治療が必要になります。高脂血症と併発している場合があるので、早めに診察する事をオススメします。

　
最後に、『粉瘤』。これは毛孔が目詰まりを起こして袋状のしこりが出来る物で、瞼より頬等によく出来ます。押し出したりすると銀杏のような臭いがします。化膿炎症を起こして赤く腫れ、痛くなったり、排膿する事もあります。同じように切除して治療します。

取／気になる出来物がある場合は、一度見て貰うだけでもいいかもしれませんね。
今回も勉強になりました。ありがとうございました。