取材陣(以下、取)／まず、一番多い要望はなんですか？
原口先生(以下、原)／やはり『鼻を高くしたい』ですね。
治療は手術になりますが、自分の体のものを使うか、人工のもの（シリコン）を使うかの2択です。

取／どちらが多いのですか？またどう違うのですか？
原／治療として楽なのは、治療を受ける側もする側もシリコンが楽です。なので、こちらが多いですね。
あとは、先生の考え方・もしくは患者さんが自分の体のもの以外を使うのは嫌だという場合は、軟骨（一番多い）や筋膜、もしくは骨を使います。

自分の体のモノを使うという利点は、アレルギー等は絶対に起こさない。そういう意味では安全です。しかし、それぞれの材料には特徴があり、軟骨の場合は、時間が経過すると共に少しづつそってきたり、少し曲がったりする事があります。
骨の場合は、非常に硬いので、鼻の形もガチッとして柔らかさがない。また、少しずつ吸収されていって量が少なくなってくる。
筋膜というのは太ももや頭の横の筋肉の膜を取ってきてクルクルと丸めて入れる。これは柔らかすぎて力が加わると平らになってきてしまう。ただ、これらは今度それだけを取り出そうとするのは難しくなってしまうという難点があります。
シリコンの方は、希望の形に合わせ易く、もし気に入らないという場合は、取り出し、やり直すのも簡単です。また、変形したり吸収されたりということはありません。

取／手術の内容は違いますか？
原／自分の体のものを使う場合は、まずそれを取り出す、取ったものを組み立てる、そして、それを組み込むという治療になるため60～90分程掛かります。シリコンの場合は、既に形成されたものを少し修正して組み込むというだけなので30～40分程です。
最近は、治療をする前に、コラーゲンやヒアルロン酸を注入して、そうした場合にどうなるか、を見てみることもできますよ。ただ、これは長い期間はもちません。時間が経つと吸収されてしまいます。人によって違いますが大体3ヶ月～半年位です。

取／キズ跡や、術後の経過は？
原／どちらも手術自体は、鼻の内側なので傍目には分かりません。
抜糸は約1週間後。その間、先生によってもまちまちですが私の場合は、ばんそうこう等で少し固定してもらいます。また、術後１週間ほど若干まぶたが腫れる人がいます。痛みはないですが、これは冷やしてもらえば大体収まります。キズは鼻の内側だけなので、もちろん化粧も可能ですよ。

取／『鼻先だけ高く』という場合は？
原／その場合は鼻先の軟骨を引き寄せたり、鼻先にだけ耳の軟骨を付け加えたり（軟骨移植）して、鼻先にアクセントをつけるような手術をします。
外側にキズ跡がある場合は、手術後10日位はその部分のお化粧は控えてもらってます。

取／術後の問診や注意点はありますか？
原／鼻の手術全体を通して、手術の翌日にキズのチェックをします。術後の経過や出血がないか確認して、あとは1週間後の抜糸で終了です。
ただ、鼻の手術の場合は、口と違って雑菌が多い所なので、化膿を防ぐ為に、抜糸までの間、1日に1回綿棒で鼻を消毒してもらってます。（場合によっては薬を出す事もあります）