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vol.14 個人年金保険

個人年金保険とは、老後の生活資金を準備する為に利用される保険で、契約時に定めた年齢から毎年年金が支払われます。公的年金だけでは老後に大きな不安が残る事に加え、一定の条件(詳細は後述)を満たせば、生命保険料控除とは別枠で保険料控除を受ける事が出来る為、老後に向けた貯蓄方法として有効な手段です。

▼個人年金保険の種類

個人年金保険は年金の支払方法によって幾つかタイプがあります。主なものは下の通りです。

■個人年金保険の種類

【有期年金】
 
一定期間(10年・15年等)を、生存している事を条件に支払われます。被保険者が死亡した場合、年金の支払いが終了してしまいます。一方、保険料が同じなら年金額は保証期間のある年金や確定年金より多くなる傾向があります。

【終身年金】
 
被保険者が生存している限り年金が支払われる保険です。しかし、支払いを保証する「保証期間付」を選べば、例え被保険者が死亡しても、保証期間内であれば遺族に年金が支払われる事が出来ます。

【変額年金】
 
ファンドを使って運用し、運用実績に応じて年金や解約返戻金等が増減する保険です。元本割れが起こらない様、最低保証をつけた商品もあります。但し、投資性商品の為保険料控除の対象ではありません。

【夫婦年金】
 
夫婦のどちらかが生存している限り年金が支払われる終身年金保険で、保証期間が設定されているものが多くあります。保証期間経過後、又は保証期間なしの場合に夫婦共に死亡すると、年金の支払いは終了します。

【確定年金】
 
生死に関わらず一定期間(5年・10年等)年金が支払われます。一定期間中は、終身年金の保証期間中と同じく、被保険者が死亡しても遺族が年金を受取る事が出来ます。

保証期間とは

 
保証期間は、保険加入時に選択する事の出来るオプションサービスの一つ。
例え被保険者が死亡しても、期間中であれば、その期間が終わる迄、遺族が年金を受け取る事が出来ます。保証期間は5年・10年等、各保険会社・プランで様々あります。

▼保険料控除の適用要件

次の要件を満たす事で、保険料控除を受ける事が出来ます。
1.年金受取人が契約者又は 契約者の配偶者
2.年金受取人は被保険者と同一
3.保険料の支払期間が10年以上
4.確定年金又は有期年金の場合、年金受取開始日の年齢が60歳以上かつ、保険料の支払期間が10年以上

 保険料控除を使うと所得税で最大5万円、住民税で最大3万5千円の所得控除が受けられます。しかし、個人年金保険料控除を使っている人は多くはなく、平成20年のデータでは14.5%(国税庁:民間所得実態統計)にとどまっています。加入者自体が少ない為ですが、個人年金の収益性の低さから、各保険会社が積極的に告知・案内していない為、とも言えるかもしれません。

▼個人年金の加入にあたって

 個人年金保険は保険会社・銀行等で販売されています。但し、保険料控除を利用出来る個人年金商品を持たない保険会社もあります。又、営業上のメリットから控除が利用出来ない変額個人年金保険を勧められる事もあります。加入する前に、商品内容を十分に確認しましょう。


FP久保さんアドバイス

個人年金保険選びのポイントは、1.ライフプランにおける必要時期に年金を受け取れる様にする事。2.保険会社間の差があるので、比較して戻り率が高い商品を選ぶ事。3.健全性の高い保険会社を選ぶ事。この3点です。

協力:FPオフィスクライアントサイド ファイナンシャルプランナー久保逸郎
福岡市中央区大名2-10-31ネオハイツ天神1004 TEL:092-716-3487

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