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vol.17 保険のウラ話:医療保険について

▼入院1日の自己負担費用20100円!?

 最近の医療保険のCM等で「入院したら1日あたり20100円の自己負担が発生」といううたい文句をよく見かけます。この数字は生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(平成19年度)によるもので、多くの医療保険のパンフレットに記載されています。

 しかし、実はこの20100円という数字には高額療養費による払い戻し金が含まれておらず、その為、実際の自己負担費用とは異なっている事をご存知でしょうか。

▼高額医療養費制度とは

 「高額療養費制度」とは病院等の窓口で支払う医療費を一定以下にする目的で支給される制度です。1ヶ月間に同じ医療機関でかかった医療費用を、世帯で合算し、下記の自己負担限度額を超えた額が支給されます。

 例えば一般の方で一ヶ月60万円の医療費が発生したとしても、80100円+(600000円-267000円)×1%=83430円の支払いで済む訳です。

▼高額療養費の対象外となる費用

 例えば、入院時の食事代(1食260円)や差額ベット代、先進医療の費用等は対象になりません。
 
しかし、1食あたり260円程度は日常生活においてもかかると思います。

 
また、自らの希望で個室等に入らない限りは差額ベット代の費用負担は発生しませんし、先進医療は年間の実施件数が数千件程度で、受診する可能性が極めて低いと言えます。

▼大切なのは本当に必要かどうか

 国民の医療費負担が多大にならない様、高額療養費という救済措置があるにもかかわらず、保険業界はCM等で消費者の不安をあおっているような気がしてなりません。

 
不安解消の為、民間の医療保険に加入するにしても、入院日額5000円~10000円程度が妥当なところで良い様に思います。


協力:FPオフィスクライアントサイド ファイナンシャルプランナー久保逸郎
福岡市中央区大名2-10-31ネオハイツ天神1004 TEL:092-716-3487

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