なるほど!!マネー講座

<< 記事一覧へ戻る

vol.22 持病・医師の診査がなくても入れる保険

テレビで保険のCMを見ない日はありません。しかしCM時間の短さからか商品の主な特徴しか伝える事が出来ず、結果として消費者が勘違いして加入してしまうというケースが少なくありません。

そこで今回はCMだけでは間違え易い2つの保険について紹介します。

▼「誰でも入れる!」は無選択型保険

CMで「誰でも入れる保険」という謳い文句の保険は、『無選択型保険』と呼ばれる保険です。

通常保険に加入する際には、健康状態の告知や医師の診査が必要です。無選択型保険はこういった審査を必要とせず、持病等で保険に加入出来ない方でも入れる保険で『医療保険(被保険者が病気やケガで入院したり、手術を受けたりした場合に保障される保険)』や『終身保険(被保険者が亡くなったり、高度の障害状態になった場合に保障される保険)』等があります。

通常の保険に入れない方にとっては魅力的に思えるかもしれませんが、実は大きな落とし穴があります。

以下メリットデメリットから見て行きましょう。

●無選択型保険のメリット

○満85歳迄等一定年齢であれ ば誰でも入れる。

●無選択型保険のデメリット

×誰でも入れる分、保険料がかなり割高。しかし保障額は一般の保険よりもずっと安い。

×契約開始から1年半等、一定期間内に疾病によって死亡した場合死亡保険は下りず、支払った保険料が帰ってくるのみ。

×最もケアしたい既往症(現在は回復していても、以前にかかった事のある病気)や持病は保障の対象にならない事が多い。

×終身保険の場合、払い込んだ保険料が死亡保障を大きく上回る場合も多々ある。

テレビCM等では、「医師による審査も健康状態の告知なく、誰でも簡単に加入でき、イザという時には給付金が支払われる」事を強調しています。

しかし、実際の所は右記の様に注意しなければいけない事だらけです。「誰でも入れる」のは確かですが、無選択型保険は誰にでもどんな時でも保障が全額支払われるものではありません。無審査の保険を検討する時は、どういった条件になっているのか、しっかりと確認しましょう。

▼「誰でも入れてしかも安い!」は傷害保険

「誰でも入れて、しかも保険料が安い」という保険もよくCMで見かけます。

先程の無選択型保険に比べると相当な安さです。でもそれは「医療保険」ではなく、ただの「傷害保険(被保険者が事故等のケガで入院したり、手術を受けたりした場合に保障される保険」だからです。

●傷害保険のCMでよく見る フレーズ

『満50歳~満80歳迄誰でも入れる!』
・傷害保険だから当然入れます。

『保険料は定額で月々わずか2800円!』
・傷害保険なので、持病等に左右されません。

『ケガの治療費は最大100万円!』
・病気の治療費・入院費は一切保障の対象となりません。
CMを見るとお年寄りの身体を気遣っている様子が流れ、あたかも病気の入院等もフォローする保険の様に見えるので注意が必要です。

傷害保険が必要ないとは言いませんが、対象となる年齢の方にとってはむしろ病気による入院をケアしたいのでは?と思います。
傷害保険に限らず、保険会社のCMは、特徴だけがピックアップされて保障の全容が非常にわかり難くなっています。保険会社は消費者に正しく理解される広告や説明をするべきですし、消費者もCMの甘い言葉だけを信用せず、しっかりと保険の内容を確認してから検討しなければなりません。

特に電話・ネットで保険を申込む際は、不要な保険に対するアドバイスはほぼ期待出来ませんので、よりしっかりとその保険の内容を確認しましょう。

協力:FPオフィスクライアントサイド ファイナンシャルプランナー久保逸郎
福岡市中央区大名2-10-31ネオハイツ天神1004 TEL:092-716-3487

<< 記事一覧へ戻る