取材陣(以下、取)／早速ですが「脂肪溶解注射」とは何ですか？

原口先生(以下、原)／これは、フォスファチジルコリンと言う薬剤を体内の皮下脂肪に注射する事で
脂肪細胞の細胞膜を溶解し、脂肪細胞を減らす治療法です。
元々高脂血症の治療に使われていた薬で、大豆から摂れるレシチンと言う成分から作られます。
又、注射による処置なので一度に出来る範囲は掌大程度が限度です。
大豆にアレルギーのある方は勿論、妊娠中・甲状腺の病気・動脈硬化の場合等は、
施術は受けられません。

取／なるほど。注射だけで部分痩せ出来るとなると良さそうに感じますが…。
効果に個人差はあるのですか？
又、原口クリニックでも施術は受けられますか？

原／現在当医院では脂肪溶解注射は行っていません。
というのも、効果の個人差と施術後の痛みに私自身が疑問を持っているからです。

以前、医療関係者から依頼を受けて施術した際の実例を紹介しますが、
一人はお腹周りを細くしたい男性。もう一人は小顔にしたい女性でした。
腰に注射をした男性は「まるで腰をバットで殴られている様な痛みだ」と２週間程苦しんでいましたし、
頬に注射した女性は頬が赤く腫れあがり「ずっと痛い」と言っていました。
結果、腰の方は効果が見られず、頬の方は少し効果あったかな？と言う程度。
二人とも「２回目はもういい」と言って、そこで治療は終了しました。

勿論、痛みや腫れが少なく満足な効果が得られる場合もあると思います。
ただ、私自身症例は少ないですがこれ程の痛みや腫れを代償にしても
効果が出るか出ないかハッキリ分からない治療を私はお勧め出来ないと思ったのです。
安全性・効果がもっと明確になれば別ですが…。

それならば、確実に脂肪を取り除いて効果が出る脂肪吸引の方が良いですし、
傷口も殆ど目立たないので（頬の場合：耳たぶの後ろ）安心だと思います。
但し、脂肪吸引も基本を守った安全且つ適切な施術が必要な事は言うまでもありません。

取／確かに「痛みや腫れ、効果」がどの程度出るのか分からないというのは…ですね。
巷の広告ではよく〝注射だけで、目立たず気付かれずに部分痩せ〟
なんてうたい文句を目にしますが「そうでは無い場合もある」と言う事実を知らずに施術を受け、後悔された方も多いかもしれません。

原／施術を受ける前に「腫れや痛みが出る場合がある、効果が無い場合もある」と言うデメリットの説明もきちんと受け、ご本人が納得してから施術を受ける分には構わないと思います。

ただもう一つ気を付けて頂きたいのは、脂肪溶解注射は俗に言うカクテル注射（様々な薬剤を混ぜて行う注射）である場合が多いと言う点です。
効果を高めるという目的でＬ‐カルニチンやＱ‐10、αリポ酸等といった色々な物を混ぜた注射がある様ですが、逆にこれらが加わる事で元々の薬剤は薄まる訳ですから効果もまちまちでしょうし、
混ぜ物によって副作用が違って来ます。

脂肪溶解注射を受ける際には「メリット・デメリット、注入される薬剤についての説明」を
しっかりと確認し、熟考して決断して頂きたいと思います。

取／やはり、信頼出来る医院で説明を受ける事が重要ですね。
　今回も有難うございました！

（原口クリニックの場合）

●脂肪吸引(頬部[両側])…315,000円
●脂肪吸引(側臀部[ウエストライン])…420,000円
※脂肪溶解注射を希望される方は、ご相談下さい。（ご希望の方には当院で処置する事も可能です。）