〈Ｈさんの相談内容〉

（略）興味のあるテーマが多く、他と違って勉強になるので読んでいます。（略）5歳の娘のかかとあたりに、硬いウオノメの様な物が出来ています。これが2～3歳の時に一つあり、だんだん大きくなって、先日見たら2つになっていました。今の時点で痛みは無いようですが、今後が気になります。こんなに小さな子供にもウオノメは出来るのでしょうか？出来れば取ってあげたいと思っています。（めいちゃんママ）

取材陣(以下、取)／早速ですが、これはウオノメでしょうか？こんな小さい子でも出来るのですか？

原口先生(以下、原)／恐らくウオノメかイボではないかと思われます。これらは見た目が殆ど同じなので、実際に診察してみないと判別は難しいですね。また、可能性としてタコ・膿腫も挙げられます。これらは刺激や感染が原因なので、自分で歩いたり触ったりする様になる頃から発症の可能性は出てきます。

取／なるほど。では、これらはどの様な物なのでしょうか？

原／はい。
ウオノメの医学名は鶏眼。慢性的かつ機械的な刺激によって角質が固くなり、更に皮フ深部に向かって角質が増殖して芯様になり神経を圧迫刺激して痛みを伴います。発生個所は主に足の裏、足趾。

因みに、この角質増殖が表面だけの場合が『タコ』（医学名：胼胝腫）と呼ばれます。痛みはほとんどありません。

イボの医学名は尋常性疣贅。ヒトパピローマウィルスと言うウィルス感染によって引き起こされます。
触ったりプール等で人から人へ、また身体の様々な場所へとうつります。発生個所は全身（特に手指や足の裏）。

膿腫は、前回お話しした粉瘤と同じで、棘が刺さったり垢等が原因で皮フ内部に膿の袋が出来ます。

取／では、治療法を教えて下さい。

原／ウオノメですが当院では、まず患部にサルチル酸の貼り薬を一週間貼って柔らかくしてから削ります。（場合によって数回繰り返し）そして、今後出来難くする為の靴の選別方法や歩き方等の指導を行います。

皮フ科で行われる液体チッソで冷凍し削る方法も可能です。一度で済む場合も多いですが、かなりの痛みを伴う為お子さんや痛みに弱い方にはお勧め出来ません。要するに根気よく治療を行う事が重要です。

タコ・イボに関しても同様の治療を行っていますが、イボの場合はハトムギエッセンスの飲み薬や角質落としの塗り薬等も処方する事もあります。

膿腫に関しては、切開排膿や粉瘤と同じで日帰り手術で袋を切除します。
（詳しくは、*にーにゃＷＥＢ「美容外科・形成外科について知りたい事〜粉瘤〜」をチェック！）

取／まずは診察で、自分の出来物が何なのか・どの様な治療が最適かを診て貰うという事ですね。

原／はい。特に最近では、イボの原因であるヒトパピローマウィルスは子宮に感染する事によって子宮頸ガンを誘発すると言われているので、女性の場合は早めの治療が大切です。同様にパートナーのイボやコンジローマの治療も必要です。

それぞれ見た目は非常に似ているので自己判断で放置したり削ってみたりせずに受診して頂きたいと思います。

取／女性の場合は特に要注意ですね！今回もありがとうございました。

（原口クリニックの場合）

●ウオノメ・タコ・イボ・膿腫…保険適応

※初診料は1,050円です。