パワフル助産師・平田先生とおっぱい110番

パワフル助産師・平田先生とおっぱい110番

 まちおさんに紹介してもらった二人目の助産師さん、平田先生。電話で伝わる程のバイタリティを持つ先生とお会いする日を迎え、中央区の都市高速「西公園」からすぐの福浜団地にある「おっぱい110番」へ夫と一緒に向かった。部屋の内部を全面的に改装されていて、木目の雰囲気暖かな待合い室へ通されて待った。
 緊張しながら辺りを見回すと、私達以外は皆乳飲み児を抱えたもしくは乳飲み児と2~5歳位の幼児を連れているお母さん。あとスタッフであろう、エプロンを付けた若い女の子とおばさま方数名。


 別室から乳飲み児を抱えたお母さんと3歳位の男の子が出てきて待合室の隅でおっぱいをあげていた。「わー、すごい…おっぱい飲んでる…。全然飲まなかったのに…ほら、○○ちゃんすごいよ、おっぱい飲んでるよ」と独り言のような、連れていた子供に話しかけているような小声で呟いている。 「あの、伺ってもいいですか?」とスタッフの女の子が声を掛けてきた。『あ、ええ。何でしょう?』「自宅出産をされるんですよね?なぜしようと思われたのですか?」『あ、えーっとですね、自然に産みたいと思った事と…』と突然の質問に慌てフタメキながら「幾度と無く聞かれる、いつもの質問」に答えていると、「うんうん、」とうなずきながら聞いている彼女。ふと気づくと胸元に名札があり、「研修中」と書いてあった。学校の現場研修か何かでここに来ているようだった。「助産師さんの卵か…」そう心の中で思いながら話していると「お待たせしました、jeekさーん、どうぞ」と呼ばれ、「あ、じゃあ…」と話を切り上げ、奧の部屋へ移動した。
 「初めまして、jeekさんね!」「はい、先日はお電話で失礼しました」と挨拶も早々に、早速先生が「どうして自宅出産したいと思ったの?」『あ、もともと病院は嫌いなのと、昔は皆自宅で出産していたという事と…』「そう!素晴らしいね、とても良い事よ!出産ってとても不思議で、赤ちゃんは自分でゆっくり回りながら降りてくるのよ」と赤ちゃんの人形を取り出し、「これが赤ちゃん!おっきいでしょう?これが産まれて来るのよ!」と熱く語って下さった。「そ、そうなんですね」と先生の迫力に押されて呆然と聞いている私達に「詳しくは私が書いたこの本に載ってるから、読んでみなさいね。それと、自宅出産の助産師はとても優秀でいい方がいるからその方を紹介します。私からも連絡入れておくから、jeekさんから直接電話して下さいね。出産、頑張ってね!産まれたらまたおいで」と助産師さんの連絡先と名前を教えてもらい、「おっぱい110番」を後にした。

実践に基づいた素晴らしい「育児書」との出会い

 印象的だったのが、待合い室でおっぱいを飲む赤ちゃんを嬉しそうに見ていたお母さんと、明るく温かい雰囲気だった木目の待合い室、精算する入り口のカウンターに置いてあった無添加で手作りの”歯堅めパン“、そして本当にパワフルな平田先生。
この出会いは私に大きな影響を与える事になる。平田先生が執筆したこの本が、私にとって無くてはならない唯一の「育児書」となり、そして平田先生の推進している「母乳育児」が子供や母親にとっていかに素晴らしい事であるかを出産後、身を持って知るのであった。
 それから数日後、平田先生に早速紹介された助産師さんに連絡を取り、一番気になっていた「臨月の検診は北九州に行かねばならないのか、もし何かあった場合もやはり北九州なのか」を聞いた。結果、「そうですね」との事。「やっぱりか…じゃあしょうがないよね」。と、ようやく諦めが付き、「自宅出産するなら、臨月検診と万が一の受け入れ病院は北九州の産院!といっても検診は臨月の1回だけやし!いいやないかっ!!」と腹をくくる事が出来た。
 ちなみになぜ「病院や産院」が「自宅出産を希望する妊婦」を嫌い、検診等一切を受け入れないのか。 産院の助産師さんや自宅出産の助産師さん、そして「おっぱい110番」の本など見るにつれ聞くにつれ、「病院が受け入れない信じられない理由」がはっきりわかった。
(*にーにゃ編集長jeek)

2007/10/01