「自宅出産ならでは」の中々体験出来ない様々その2

「自宅出産ならでは」の中々体験出来ない様々その2

 へその緒を切った後、「台所、お借りしますね」と助産師さん二人(サポートで出産の時にもう1人入られるのです)が胎盤を持って準備に取りかかっていた。
 私達はまだ産まれて間もないのに、そして誰も教えてないのに一生懸命、上手におっぱいを飲んでいる坊の愛らしい姿を飽きる事なく、そして片時も離れずにただじーーーっと見守っていました。


「お待たせしましたー♪」と助産師さんがお盆に乗せて持ってきてくれた。ドキドキしながら見ると…私とオットの口から同時に「おぉーっ!?」と歓喜の声。しょうが醤油と共に並ぶそれは、正に「レバ刺」(笑)!。いや、胎盤(プラセンタ)の刺身だから「プラ刺」とでも言おうか。その場には私、オット、おかん、兄がいたのですが、やはり持ち主であった(?)私が最初に食す事に。しょうが醤油をちょちょっと付け、怖々口に運ぶ。

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「…美味しい!」
 食感はレバ刺より少し歯ごたえがある様な、味は馬刺に近い感じ。クセはないが微妙に”ぬるい“のがリアルな感じで(^^;)。オット、兄、おかんも試食。「ほんとだ、美味しい!」「へぇ」「あらほんとねぇ」とおのおの感想を述べていました。考えてみると子を産んだ後、動物はへその緒や胎盤を全て食べます。やはりそれは利に叶っていて、自然な事であり本来違和感がある事ではないんだなぁ、と妙に納得するのであります。
 そうそう、書き忘れていましたが坊が産まれてすぐ後に助産師さんから「赤ちゃんがお腹の中の羊水を自分で吐き出しますから云々」という説明を受けた。そしていつだったかはもうハッキリ覚えてないが、言われていた通りにゲホッと何かの拍子に自分で吐きだした。
 …最後の病院健診時に先生がおっしゃっていた事をふと思い出した。「産院では産まれてすぐ赤ちゃんの口に細い管を入れて羊水を吸い出す処理をするのだけれど、その管で赤ちゃんの粘膜を傷つけてしまう事もあります。そんな事をしなくても赤ちゃんは自分で吐き出す力を持ってるんです。お産に医療が介入しすぎる事で、かえってミスやトラブルが起きているのも事実なんです」。
 又、産後のコース料理が人気の有名産婦人科で出産した友人が「出産の痛みより、その後の胎盤出される方がめちゃくちゃ痛かった!もー看護師(助産師?)さんがゴリゴリお腹圧してさー。叫びまくったよ。二人目産む時も陣痛や産む痛みより、胎盤出しの方が痛い!イヤ!!」。その時独身だった私は、イマイチ「産後の胎盤出し」とか何の事やら分からなかったけど、実際に出産を経験して思ったのは私の場合、前号で書いた通り胎盤が出た事すら分からなかった(痛かった覚えがなかった)のだが、その理由は子宮から自然に剥がれるのを待って胎盤が出たからなのかな、と。友人が言ってた「相当ゴリ圧しされた」というのは当然なく、胎盤の位置を確認する為に軽く圧すか、さする程度だった。
 産んだ後に「なる程、この事なんだ」と初めて理解出来、意味が分かる事も多々あって「自宅出産をする事で知り得ない様々な事を知り、普通出来ない体験も出来て、本当に良かったなー」としみじみ思うのでありました。
 話はずれましたが、胎盤食後は病院出産同様、手足の指が5本ずつあるか、体重・身長・頭回りの測定に男の子なので睾丸が二つあるか、左右の大きさに異常はないか等のチェックを済ませて、オムツの付け方・お風呂・おへその消毒や肌着の準備に着せ方等を簡単に(細かくは明日以降に実践で教えてくれる為)説明してもらい、最後に家族写真と助産師さんとの出産記念写真を撮って助産師さんが帰宅、長い1日が終わったのでした。時間はもう夜中の2時を余裕で過ぎていた。
明日から5日間、産後経過と育児指導で毎日助産師さんが来てくれるとの事。初めての育児が始まるが、不思議と不安は一切かった。(仕事の事を考えると、少々不安だったが…)
(*にーにゃ編集長jeek)

2007/10/01