産後の母体と赤ちゃん

産後の母体と赤ちゃん

前回、母乳うんちと粉ミルクうんちの違いについて書きました。そのまま母乳についての話を書こうと思いましたが、間違いなく何号か続いていく程内容が濃く、深い話になるので、まずは産後の話を終えてから紹介したいと思います。
 自宅出産後、5日間は助産師さんが毎日家にやってきて、手取り足取り赤ちゃんの事や自分の体の事等を指導してくれます。


 毎回必ず母体の経過確認(子宮の位置を触診、会陰の状態確認と消毒、血圧測定他)を終え、赤ちゃんへの夜中の授乳時間と間隔、おしっこやうんちの回数等を確認されたら(驚く程赤ちゃんはおしっこ、うんちをよくします。布オムツ替えはしょっちゅうです。でも、これが普通なのです)、赤ちゃんの入浴や入浴後のベビーマッサージを実践しながら丁寧にマンツーマンで教えてくれます。

■「悪露(おろ)」は子宮の 回復バロメーター
 産後の母体ケアといえば、「悪露」の手当があります。漢字を見ると恐ろしそうですが、悪露とは、胎盤がはがれた後の血液や子宮内に溜まっていた血液で、それが出産後数週間に渡って排出されます。ドロリとした血液が排出されますが、産後数日が最も多く、日が立つにつれ次第に量も減り、色も茶褐色、黄、白そして自然に無くなり、子宮の回復と共に変化していく様です。
 悪露が出ている間は、専用ナプキンを当てておきます。産後~数日、量が多い時期は驚く程大きなナプキン(というよりオムツに近い)を使い、量が落ち着いてくるのに合わせて中位、そして通常の生理用ナプキンサイズへと変えます。これも、助産師さんから購入する自宅出産セットに入っています。
 手当は、トイレに行く度に行います。数回分の消毒綿を作りますが、私はマイナスイオン調整液の希釈液(30倍位)を小さな霧吹きに入れ、使う度に化粧コットンへ吹きかけ、湿らせて使っていました。
 消毒綿で外陰部を尿道から肛門側へ拭きます。二度拭きは決してせず、消毒綿は1回ごとに取り替え、新しいナプキンに変える。手当後も手をきれいに洗って、終わり。
 最初の方は、そこへ触れるのも何となく怖いし、多少傷もあるのでしみますが、日を追うごとに気にならなくなっていきます。
(消毒綿も市販してありますが、コットンを煮沸消毒したりと簡単に作れます。この方が安全で安心ですので、是非ご自身で作られることをお勧めします)

■膣回復運動
 膣の回復運動も教えてもらいます。「肛門に力を入れ、きゅーっと締めて10秒そのまま。そして力を抜く。これを1日100回はして下さい」。100回は結構しんどいのですが、自分の体の為。産後の尿漏れ等も回避したいので、頑張らねば、なのです。

■母乳指導
 産後、赤ちゃんへの授乳は、3時間空けない様にせねばなりません。夜中も勿論同じくです。欲しがる時に欲しがるだけ、与えます。おっぱいが出る乳腺は、乳首から放射線状にあります。ですので、いつも同じ方向で飲ませると、他の乳腺の母乳が詰まってしまい、最悪の場合乳腺炎になったりする為、(実は数回乳腺炎になって、地獄を見ました(汗))全部の乳腺から授乳をする様、横抱き以外のあらゆる飲ませ方を実践しながら教えてもらいます。
又、おっぱいマッサージも行います。横になって、母乳が飲まれず乳腺に溜まってしこりになっていないかを触診し、溜まっている場合は手技で排出されます。痛み等一切無く、溜まっていた母乳がしゃーーーーと宙に向かって噴水の様に放出されます。

■授乳中は生理が無い!?
 余談ですが、正しいサイクルでの授乳を行っていると、授乳中は生理がこない事をご存じでしたか?私は全く知りませんでした。
 簡単に説明すると、母乳を飲ませていると、赤ちゃんが吸う刺激によってプロラクチンというホルモンが分泌され、このホルモンに排卵を抑制する働きがあるのだそう。但し、授乳開始から次の授乳迄3時間を超えてしまうとホルモンの分泌に変化が起こり、排卵の可能性が出てくるのだそう。その為、特に夜間の授乳は気をつけねばなりません。
 ちなみにミルク又はミルク混合の場合は、産後2~6ヶ月で80%の方が生理が始まるそうです。
 ちなみに私の場合ですが、長男の時は7ヶ月で仕事復帰し、以降がミルク混合となった為に9ヵ月の時に生理がきました。その時は正直本当にショックでした…。
 今、長女が1歳1ヶ月で授乳中ですが、未だ生理はきていません。最近授乳間隔が空いているので気をつけねば、です。とはいえ、生理が始まったからといって母乳が止まる訳ではありません。授乳は出来ます。 しかし、母体、母乳ってホント不思議ですね。
(*にーにゃ編集長jeek)

2008/03/10