育児訪問最終日の幸せ

育児訪問最終日の幸せ

 出産後の5日間、毎日助産師さんが家に来て赤ちゃんの入浴・へその緒の消毒・授乳・ベビーマッサージや母体の健康状態、悪露や会陰の状態確認・おっぱいマッサージに育児相談等、様々な事をマンツーマンで指導してくれます。分からない事が起こっても、即電話なりメールでやりとりして教えを乞えるので、一切不安な事やどうすればいいのか分からない、という事がありませんでした。夜中の授乳による睡眠不足でかなり身心が参ってしまうのですが、「育児の不安や戸惑いが全くない」というのは、初産の私にとってこんなにも心強い事は他にありません。


 そして育児指導最終日。赤ちゃんと母体のチェックを済ませた後、助産師さんから「出産を無事に終え、頑張ったjeekさんとjeekさんの体にご褒美を」と、全身のアロマオイルマッサージをしてくれました。思いもしないプレゼントと、アロママッサージが大好きな私は大喜び!慢性睡眠不足で疲労が溜まっていたのでマッサージスタートから数分後に意識はなく、(60分か90分か時間はすっかり忘れてしまいましたが)マッサージ中1度も起きる事なく、爆睡。マッサージを受けながら熟睡したのは初めて。すっかりリフレッシュさせてもらいました。
 育児指導の最後には、助産師さんに花束を渡し、助産師さんと共に歩んだ「妊娠・出産」の一つの節目を迎えたのでした。
 予想以上に過酷である育児ですが、その中に楽しみをみつけ、ふとした赤ちゃんのしぐさや変化に喜び、自分の中に芽生えて日々増していく「母性」に驚き…。口では到底言い表す事が出来ない程、出産と育児のプロである助産師さんから沢山の事を教えて頂きました。自宅出産を選び、助産師のKさんに出会えた事は私の人生に大きな影響を与えた出来事の一つです。
 助産師さんとの二人三脚に一区切りついたものの、分からない事や不安な事があればすぐに連絡をとって指示を仰いだり、自然分娩や育児についてのイベント等がある場合はお知らせ頂いたり、おっぱいトラブルの際には出張ケアをお願いしたりと、関係は今でも続いています。

■病院・産院との違い
 気になる「自宅出産費」ですが、私が最初に掛かっていたI産婦人科での出産費用と殆ど変わりませんでした。(産院や病院によって出産費用に大きな差がありますが、当時のI産婦人科は産院の中でも比較的良心的な30万前半でした。ちなみに福岡市から補助される”出産育児一時金“の額が一昨年増額された様ですが、それに合わせたかのごとくあちこちの産院で出産費用が上がっていました。何だか…ふに落ちないのは私だけ?)
 でも皆さん考えてみて下さい。病院や産院で、先生や看護師さん、助産師さんなりが一妊婦や産婦の健康管理、あらゆる面で「手取り足取りの個別指導」等ありましょうか。ちなみに私の出産後、友人の数人が初めての妊娠・出産を経験しましたが、「え?そんな事も病院や産院では教えてくれないの?」と思わざるをえない、様々な相談を受けました。「母乳をあげて下さいとは言われたけれど、その理由や母乳を出す為のアドバイスや指導は一切ないし、母乳が余りでないがどうしたらいいか」「おっぱいが張って痛いけどおっぱいマッサージはそれ以上に痛くて通いたくない」「その日の助産師さんによっていう事が全然違ってどれを信じていいのか分からない」「おっぱいが足りない時は粉ミルクを足す様に言われた。でも粉ミルクの後に必ずミルクを吐いてしまうのは何故?」等々。
 信じられませんでしたが、それが悲しいかな
”現実であり、これが普通“なのだと痛感したのでした。
自分が分かる範囲は「こうしたらいいよ」とアドバイスをし、滅多にありませんでしたが、分からない事柄は助産師さんに聞いて、それを伝えていました。早速アドバイスを実践した友人達はみんな目から鱗、「あれから母乳が出だした!」「おっぱいを吐かなくなったよ!」「夜泣きが減った。それから泣いている理由が理解出来た事で、気持ちに余裕が出来た」と本当に喜んでくれていました。
 これらは、勿論助産師さんから指導してもらってた事であり、育児の必需本、平田先生著「おっぱい110番~母乳育児は地球を救う~」に記されている事がほとんどでした。
 話がずれてしまいましたが、病院・産院出産の費用と自宅出産の費用にはそう差がありませんが、その内容には天と地、雲泥の差があると私は感じました。例えるならば、病院や産院が1クラスに何十人いる塾、自宅出産はマンツーマンの家庭教師。
 健康面に問題がなく、自然分娩に興味があってなおかつ周りが許すのであれば…是非自宅か助産院での出産も視野に入れて欲しいと強く思います。初産の方なら、なおさらです。

*次号より「母乳と育児」について紹介して参りたいと思っています。
(*にーにゃ編集長jeek)

2008/05/09