取材陣(以下、取)／まずは、これらの部位で良くある症状は何ですか？

原口先生(以下、原)／そうですね、やはりシワ・くすみ・たるみを気にされる方が多いです。

●まずシワですが、肌に張りを持たせる為にヒアルロン酸を注入する方法と弾力性の乏しい余分な皮フを切り取る方法の２つが考えられます。ヒアルロン酸は、安全性の高い物ほど徐々に体内に吸収されますので、永久性はありません。ネックリフトの様に余分な皮フを切り取る場合は、勿論即効性・持続性（但し加齢によって又徐々に新しくシワが出来ます）はありますが、メスを入れる部分に傷跡が残ります。　　
首の場合は、耳の後ろから後頭部の生え際にかけて、ひざ・ひじの場合は怪我等で出来た元々からある傷跡を利用する事が多いです。

●くすみは、部位によって原因になっているものが違います。
首の場合は、ナイロンタオルの使用や化粧品かぶれ等による炎症後色素沈着である事が多いです。まずは、患者さんの日常生活や肌の状態を診て、原因を取り除く事から始めます。そしてその状態に合わせて、角質を剥がし皮フの再生を促す「トレチノイン」やメラニン色素を破壊する「ハイドロキノン」といったシミの治療に使われる塗布剤やＹＡＧレーザー（メラニン色素等の黒い色に反応するレーザー）による治療をします。特に色素沈着が酷い場合は、表面を削皮する「アブレーダー」と言う医療機器で削る事もあります。
ひじ・ひざの場合は、良く動かし何かにぶつける事の多い部位ですので、角化肥厚症による黒ずみが多いです。これは角質が硬く厚くなってしまうのが原因なので、角質落としの治療になります。皮フの乾燥を防ぎ角質を柔らかくする尿素軟膏やウレパール軟膏等の他に、それと併行して首の場合と同様に「トレチノイン」や「ハイドロキノン」といった軟膏も使用します。

●たるみは何処の部位であれ、皮下脂肪の沈着が原因の場合は脂肪吸引ですね。カニューレと呼ばれる吸引管を皮下脂肪部分に差込み、脂肪を吸い出します。シワの部分や元々ある傷跡等から差込みますので余り目立ちません。基本的に日帰り手術ですが術後吸引後の形態を保つ為に施術箇所を包帯やサポーター等で圧迫しておく必要があります。（詳しくは、*にーにゃWeb「美容外科・形成外科について知りたい事」脂肪吸引～理論編・実践編～をチェック！）又、たるみ方によっては脂肪吸引に合わせて余分な皮フを切り取る場合もあります。

取／なるほど。では、これらの事で悩まない為に今私達が出来る事を是非教えて下さい！

原／はい。まずは、何よりも健康な皮フを保つ為に毎日野菜を摂取してビタミンＢ２・Ｂ６をしっかりと摂る事。皮フが硬いとシワ・くすみの原因になるので、肌を柔らかく保つ為に(乾燥が気になる冬は特に)保湿クリームを塗る事。汗もくすみの原因になります。こまめに拭く様にしましょう。又、皮フが老化する原因でもある日焼け（紫外線）には気をつけて、日焼け止めクリーム等を塗る際は、首も忘れずに！

取／普段からの心掛けでアンチエイジングですね！
　今回も有難うございました。

（原口クリニックの場合）

●トレチノイン軟膏 (5g)…5,250円
●ヒアルロン酸 (0.1㎜)…10,500円
●ネックリフト…420,000円
●膝の脂肪吸引…210,000円

※初診料は1,050円です。